草間リチャード敬太さんと髪型

 

 

 

草間リチャード敬太くんをご存知でしょうか。

 

関西ジャニーズJr.内ユニットAぇ! groupの黄色・サックス担当。

DASH島の後輩・リチャード。

Myojo主催のJr.大賞において「将来ダンディになりそう」なJr.1位を獲得した人。

アメリカにルーツを持つ彼は、その個性やルーツを武器に関西ジャニーズJr.という熾烈な競争社会を戦ってきた戦士でもあります。

そのため、関西ジャニーズJr.を昔から応援している人にとっては、「目印担当」が慣れ親しんだキャッチフレーズかもしれません。

 

今回は、そんな今を時めく新進気鋭のアイドル・草間リチャード敬太くんの「髪型」について書きたいと思います。

 

クルクルとしたカールがキュートなウェービーヘア。

ときに金髪、ときに赤髪と派手な色に染めてみたり、サイドを借り上げた短髪だったり、伸ばしてお団子を作ってみたり。ストリート系の私服にもよく似合う、おしゃれな髪型が特徴的。自身の髪質を生かしたスタイリングは、映像でも誌面でもぱっと目を引きます。

 

しかしリチャードくんがこうして自分のスタイルを確立するまでには、様々な葛藤や模索もあったそう。

「ジャニーズ」に求められるスタイルと、自分のスタイルが合致せず、悩んだ時期もあったと言います。

例えば、"アイドルらしい髪型"といわれるものが皆の中に何となくあって、そこに当てはめようとする空気を感じることもある。でも僕のこの髪は地毛やし、自分でそれを受け止めきれてない時期はありました。

  ―『日経エンタテインメント!』2021年6月号

自分のコンプレックスをあげるとしたら、やっぱり髪の毛じゃないですか。みんなみたいに、目に前髪をサラッとかぶせようとどれだけ思ってもできるような髪じゃないから。

―『STAGE navi』vol.48

 

そもそもの話なのですが、ジャニーズの歴史を戦後からたどってみれば、容姿における「ジャニーズ」らしさを定義づけることはとても難しいことが分かります。個々のジャニーズタレント、グループを一つのカテゴリーに押し込めるのは到底無理なほど、そこには多様性があります。

にもかかわらず、なにが「ジャニーズ」らしさであるかという定義がいつの間にか構築され、権威性を持ち、誰が明文化したわけでもないのに、ジャニーズを語るものたちの間でまことしやかに使われています。

 

髪型にしてもそう。

かつて「ジャニーズ系」なんて言葉がはやった時期もありましたね(まだあるのか?)。もうオワコンとなりつつある概念だと思いますが、そこから連想されるのは、丸めのシルエットになるようワックスで盛り、前髪は目元ギリギリで軽く流してある髪型、ではないでしょうか。

 

対するリチャードくんの髪質は、くせのあるウェービーヘア。

 

「でも僕のこの髪は地毛やし、自分でそれを受け止めきれてない時期はありました。」と語るリチャードくんは、しかし、活動の中で様々な髪型に挑戦していくごとに、髪型をはじめ自身のスタイルについての考え方を新しくしていったようです。

 

 

2019年の後半ごろから髪を伸ばし始め、後ろで結べるほどの長さになったリチャードくん。

この頃のインタビューで次のように語っていました。

僕としては、「あ、ジャニーズってこんな子もいるんや」っていうのを、もっと広く知ってもらいたい。それは個人としてだけじゃなくて、Aぇ! groupは関西の個性豊かなメンバーがそろっているので、「ジャニーズ幅広くなったね」って思ってもらえたらいいな。

  ―『anan』2019年12月18日号「反骨のきらめき。」

多様なルーツを持つものを阻む「ジャニーズ」らしさに対して、「ジャニーズ」の枠組みにとらわれることなく、むしろ自分がその境界を広げていくのだという宣言。頼もしすぎませんか?

 

上記のインタビュー時の髪型は、前髪なしのハーフアップお団子だったリチャードくん。2020年、コロナによる自粛期間に入ったあたりからは半年近く、前髪ありのアレンジが定着していました。ジェルで全まとめで、その日のコンディションで前髪を右か左に流すそう。ハーフアップ期間は長かったので、記憶している方も多いのではないでしょうか。

 

それまでサイドを刈り上げた短髪スタイルが定番だった彼にとって、髪を結べる長さまで伸ばしたことはひとつの転機だったようです。

最近初めて髪を伸ばしてみてくくってみたりすることで、ちょっとアレンジできるようになると「髪の毛、長い方がいいやん」って周りからも言ってもらって、自信が付きましたね。

 ―『STAGE navi』vol.48

「自信がついた」なんて、好きな人の口から聞きたいセリフでしかないですよね。

 

また、前髪ありのスタイルが定着したちょうど同じ頃、コロナ禍で制限されていたライブが、配信という形で再開するようになりました。

そうした中、カラコンとアイメイクをしてライブに出るようになったリチャードくん。本人曰く「気分転換で髪を染める感覚で目の色も変えてる感じ」とのことで、カラコンはグレー、ブルー、ベージュのバリエーションがあるようです。

最近はライブのときに目尻に跳ね上げラインを描いてる。

(中略)最近は配信のライブが多くてアップにもなるし、そういうこだわりは芽生えてきたかも。

  ―『Stage fan』vol.11

最高のエンターテイナーじゃないですか。

日誌でも「ライブのカラコンどうだった?」とこちら側に問いかけてくれて、マジサイコー、アゲ!と思った記憶があります。

 

同時期の雑誌の撮影においても…

ああ、自分の好きな人が、その人に向けた称賛をきちんと受け取ってくれているということ。自身の容姿にこだわりと自信を持ち、そしてその素敵に仕上げられた姿をこちらに見せてくれるということ。その喜ばしさ、めでたさよ。

それってアイドルオタクにとっての本望みたいなところ、ないですか?

 

話がそれましたが、髪を伸ばして様々なアレンジに挑戦することで、自分に似合うスタイルを見つけ出していったリチャードくん。

 

 

2021年1月には、ヘアカタログ雑誌の企画でアフロヘアを初披露。

 

大好評を博した「クラウド3Dカラーアフロ」を本人も気に入ったようで、番組のリハーサルなどでアフロスタイルで来ることも増えたよう。

このことについて、

今日もそうやけど、最近自分の素の髪型で雑誌や番組に出られるようになってきたんですよ。(中略)自分に自信がついたのかもしれないですね。

  ―『anan』2021年6月16日号

と言っていました。最高。

 

そしてみんなの記憶に新しい、コーンロウ事変が起きたのは2021年3月。

ことの発端は2021年3月6日のらじらーサタデーにゲスト出演した小島くんのこの一言。

たしか新宿のど真ん中で信号待ちをしているときにこのツイートを見たのですが、あやうく絶叫して職務質問されるところでした。ツイッターのタイムラインが騒然としたのを覚えています。

 

後に、このコーンロウはABCテレビのドラマ『ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情』用の役作りだったことが判明。

というわけで以下の動画でコーンロウリチャードくんをご覧ください。

youtu.be

めちゃくちゃイカしてますね、最高、アゲ

私はリチャくんの後頭部の曲線がとても美しいなと思っていつも見ているのですが、それがくっきりとわかる髪型なのも素晴らしいなと思いました。

 

ちなみにこのドラマ、関ジュメンバーがオムニバス形式で出演、リチャードくんの役どころは、なかなか試合に勝てないプロボクサーのテル役なのですが、なかなか作り手の「リチャくん♡」愛が全開の私情にまみれた職権濫用回だな…と感じたので、お時間ある人は見てみてほしいです。Paraviで配信中だそう。

www.asahi.co.jp

ただ残念なことに、コーンロウの寿命は2~3週間。ドラマの撮影とプロモーション期間が過ぎたら解いてしまったよう。

メンテナンスや髪へのダメージも大変そうなのでそうそう拝めるわけではないレアな髪型、リアルタイムで目撃できたこの幸運に感謝です。

 

こうしてアフロヘアやコーンロウなどの髪型を経て、

いっそのことドレッドしようかな、、

髪型変えられるって楽しいね!笑

  ―『Aぇ!!!!!!』3月26日更新

またいろいろと新しい髪型にも挑戦していきたいなと思っているので乞うご期待!

  ―『Aぇ!!!!!!』5月8日更新

と、ワクワクするような表明を日誌でしてくれました。期待しちゃうんだが?

5月初旬に頭頂部で髪を一つにくくるスタイルになって以降はそれで安定していますが(本人曰くそれが一番楽なヘアスタイルらしい)、機会があればあんな髪型やこんな髪型をしてほしいものです。ちなみに私のPinterestの最新の検索履歴は「Curly afro hairstyles」です。

 

そしてこの宣言。

やっぱ賛否両論あるけど僕は最近自分のポテンシャルをしっかりいかすことに重きを置いてるのでそこも含めて僕を好きになってちょ!

  ―『Aぇ!!!!!!』5月8日更新

普段 居心地のいいタイムラインの中でぬくぬくとインターネットをしているので賛否の"否"なんぞ聞いたことがなくびっくりしたのですが、それよりなによりなんて力強くて愛おしい宣言なのだろうと胸の前で手を合わせてしまいました。世界の神様達よ 彼は良い人よだから絶対幸せにYeah…(from Berryz工房『単純すぎなの私・・・』)

 

既存の「ジャニーズらしさ」に迎合することなく、自身の個性を否定することなく、自分のポテンシャルを生かしていく宣言。これほど頼もしく、ワクワクする宣言があるでしょうか。 

 

ライブでも目立つし、自分の顔立ちに合うこの髪質でよかった。得してます。

(中略)鏡見て、自分で似合ってると思えれば、何だってアリ!自分だけのスタイルでいきたいですね。

  ―『FINEBOYS +おしゃれヘアカタログ 2021 SPRING-SUMMER』

 

私は常々、自分の好きな人がその人自身のことを好きなことほど幸せなことはないと思っているのですが、この文章を読んでことさらにこれを感じました。 自分に自信を持っている人って、最強に美しいですしおすし

モデルの仕事にも挑戦したいそうなのですが、ファンとしても本当に切望しています。個人的にはリチャードさん表紙のPOPEYEを読むまで死ねないな~と思ったり、装苑でゴリゴリのメイクをしたモードなリチャードくんが見てみたいと思ったり。え、でもVOGUEでも似合うし、NYLONは言わずもがなだし、BRUTUSの京都特集の回は外せなくない?ということで、微力ながら要望ハガキを出しつつ、あんな未来やこんな未来を夢想する日々です。可能性は無限大。

 

 

そしてついに2021/8/15、松竹座で行われている関西ジャニーズJr.のコンサートSummer Specialの夜公演、ふわふわアフロスタイルで登場したようです(ありがとうレポの数々)(アフロヘアで観客の前に登場するのは、舞台『青木さんちの奥さん』以来二度目らしいですが)。

 

レポを見て私の脳裏によぎったのは、「"アイドルらしい髪型"といわれるものが皆の中に何となくあって、そこに当てはめようとする空気を感じることもある。でも僕のこの髪は地毛やし、自分でそれを受け止めきれてない時期はありました。」という言葉。そう語ったリチャードくんが、自分のポテンシャルを最大限生かしたアフロヘアで、「ジャニーズ」のアイドルとして、ステージの上に立った日。オタクはこの日に、勝手に特別の輝きを感じずにはいられないのです。きもくてごめん。

 

実はアフロヘアで登場することが不安で裏でスタッフさんに「大丈夫ですかね?」と何度も確認していたことを末澤くんに暴露されていました。お客さんに不満に思われ「チケ代返せ」と言われることを心配していたとか。

そんなわけないのにね!そんなわけないんだよ!!!少なくとも私の観測範囲ではアフロヘアに対して絶賛の嵐でした。

雑誌で見ても素晴らしくかっこよかった髪型なのに、生で見たらどうなっちゃうんでしょうね。どうにかなりたいので、もし気が向いたならまたコンサートでやってほしいものです。

 

 

 

これからもその最強にかっこいい、個性的なスタイルで、「ジャニーズ」を切り拓いていくリチャードくんを応援し続けたいなあと思ったのでした。

 

ここまで読んでくださった皆さんもそうでしょ?

 

 

 

 

僕はもとから全てがみんなと違うので、一般的に言う"アイドル"に寄せる必要は無いのかなって

(中略)だけど「自分をどう見せたらいいか?」を探って分かってるのは、自分。最大限、自分の容姿を生かせることができたらいいじゃないですか?

「こういうタイプのアイドルもいるんだよ」っていう方向で、僕は自分なりのアイドルをやっていけばいいのかなとおもっています。

  ―『STAGE navi』vol.48

 

 

 

 

 

 

 

参考資料一覧

 

1.『日経エンタテインメント!』No.291, (2021), 日経BP, p134.

2.『STAGE navi』vol.48, (2020) 産業新聞出版, p91.

3.『anan』2019年12月18日号, (2019), マガジンハウス, p125.

4.『Stage fan』vol.11, (2021), 株式会社メディアボーイ, p49.

5. 『anan』2021年6月16日号, (2021), マガジンハウス, p119.

6. 草間リチャード敬太,『Aぇ!!!!!!』, 2021年3月26日, Johnny’s web, https://www.johnnys-web.com/s/jwb/diary/detail/123464?ima=0440&cd=767#diarid123464, (2021年8月17日閲覧).

7.草間リチャード敬太,『Aぇ!!!!!!』, 2021年5月8日, Johnny’s web, https://www.johnnys-web.com/s/jwb/diary/detail/144844?ima=0440&cd=767#diarid144844, (2021年8月17日閲覧).

8.『FINEBOYS +おしゃれヘアカタログ 2021 SPRING-SUMMER』, (2021), 日之出出版, p103.